副業300万円の壁は見直し



先日お伝えしていた副業所得税についてのパブリックコメント(参考:2022/9/2「副業収入は300万円で取扱いが変わる?!」)について、今月7日に国税庁から意見公募の結果が公表されました。結果内容としては、年間300万円を一つの基準としつつも、帳簿書類の有無等によっても事業所得or雑所得を判断することが付け加えられました。

参考:「所得税基本通達の制定について」(法令解釈通達)の一部改正(案)(雑所得の例示等)に対する意見公募の結果について


従来案は年間300万円以下の副業等収入を原則的に雑所得とする内容でしたが、7000件超の意見が寄せられ反発が多かったようです。

・帳簿をつけて真面目に事業をしている納税者を売上規模のみで定量的に裁くのは不公平

・政府が副業推進をする一方で税務的な応援がないのは矛盾している

などの意見に対応する形で通達の修正に至ったようです


国税庁の考えを本文から抜粋します。

「収入金額が300万円以下であっても、帳簿書類の保存があれば、原則として、事業所得に区分されることとなります。」

「事業所得者には、帳簿書類の保存が義務づけられているところ、一般に帳簿書類の保存がある場合には、営利性や有償性、継続性や反復性、自己の危険と計算における企画遂行性があると考えられることから、反証に代えて、帳簿書類の保存がある場合には、原則として、事業所得に区分する」


・・・ということで、300万円で乱暴に所得区分を決められる心配はなくなりました。
ただし、小規模な副業が事業として認められるためには帳簿書類をしっかり作成して保存する必要があることが明記されたため、より一層帳簿書類の重要性が増したともいえます。

また、副業収入が極端に少ない場合等は個別判断として雑所得とされる恐れも残っている点お忘れなきよう願います。

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